宇和島の方言

まずは日常会話でどうしても使ってしまう、基本的な言葉からです。
細かいニュアンスがよく伝わります。
宇和島弁のイントネーションは、比較的共通語に近いと思います。

こがい

そがい

あがい

どがい
こんな・こんなふうに
  「こがいになっとったとは・・・」
そんな・そんなふうに
  「そがい言うなや」
あんな・あんなふうに
  「あがいな人になったらいけん」
どんな・どんなふうに
  「一体、どがいなっとるんど?」
〜やけん 〜だから
  「宇和島は田舎やけんねえ」
〜しさいや
〜しなはいや
他人に(わりと丁寧に)何かを勧める時に使います。
〜してくださいよ・〜してはどうだろう
  「来なはいや」「もう明日にしさいや」
〜しさる
〜しなはる
〜する、の丁寧語
目上の人や偉い人に対して使います。
  「○○さんが、昨日来なはってなあ」
〜てや 〜だよ
やや断定的なニュアンスを持つ語尾です。
 「そんなことしたらいけんてや」「ええてや」
〜すらい 〜するよ
  「じゃあ、また電話すらい」

次は「これぞ方言!」というものですが、 以前とくらべると、聞く機会も減っているような気がします。
少しさびしい気もしますが、たまに聞くと嬉しくなります。

いじる からかう・さわる
  「そがいいじるなや」
いぬる 帰る
  「もういぬらい」
いんでくらい 帰る
(いったん帰って再び来る、という意味ではありません)
いにしな 帰る途中
  「いにしなに寄らい」
いびしい 濡れて気持ちが悪い
  「長靴ん中がいびしいなった」
うさす ・のうなる 無くす・紛失する
  「そんなことしよったらうさすてや」
  「ありゃ、財布がのうなった」
おっとろっしや・とろっしゃ 何と訳せばいいのでしょう、とにかく『感嘆詞』です。
びっくりした時など、反射的によく使います。
おらぶ 叫ぶ
  「そがいおらばんでもええやろう」
がいな 凄い・大変な
  「がいなやっちゃねえ」
かやす (コップに入った水などを)ひっくり返す
  「そがいなことしよったらかやすど」
かんまん・かまん 大丈夫・いい・かまわない
  「今から行ってもかんまんかねえ?」「かんまんよ」
げさく 下品
  「その色はちょっとげさくなことないかな?」
こそばい くすぐったい
  「やめや、こそばや」
ことのすんならん 使いものにならない
  「お前はよいよ、ことのすんならんねー」
こたう こたえる・ダメージを受ける
 「○○さん、今日はえらいしんどそうやったねえ」
  「昨日の酒がことうたんよ」
こたわん かなわない
  「あいつにはこたわん」
こんまい 小さい
  「おっちゃんらのこんまい時分はねえ」
さいさい たびたび
  「そがいさいさい言わんでもええやないかな」
そうたいぶり 久しぶり
  「○○さん、えらいそうたいぶりやないかな」
ぞえる ふざける
  「いつまでもぞえよったらいけんど」
たいぎ 疲れている
  「今日はちょっとたいぎなけん、やめとかい」
たごる 咳込む
〜なし・なあし あえて訳すと〜なあでしょうか? 語尾につけます。
これぞ正調宇和島弁!という話し言葉ですが、
最近では聞く機会も減った気がして残念です。
  「当時の宇和島はナシ、田舎やったですけんナシ」
ちゃがまる (車などが)動かなくなる
  「いけん!ちゃがまった!」
つばえる(どつばえる) あばれる
  「こりゃ!つばえな!」
てがましい すぐ手出しする・手が喧しい
  「お前はよいよてがましい子やったてや」
ぬくい あたたかい
  「今日はよいよぬくいわい」
ぬくめる あたためる
  「じゃこ天はぬくめて食べた方がええで」
もんてくる 帰ってくる
  「夏休みでもんとるんかな?」
ひやい 寒い
  「今日はよいよひやいかいな」
めんどしい 恥ずかしい・体裁が悪い
  「そがい、めんどしいことすられん」
やんさい・やんなはい ください
  「それ、やんさいや」「そうしてやんさいや」